介護用品、福祉用具を知ろう

更新日:2024.03.22

「介護用品」や「福祉用具」と聞くと、どちらも高齢者や身体障がい者のように一人では生活することが困難な人のために必要な物品であるというイメージがあります。今回はこれらの用具について解説していきます。

介護用品と福祉用具の違い

介護用品
介護用品は介護に必要な物や機器全般を指すことが多く、明確な定義はありません。
車いすやステッキなどの補助製品から、紙おむつやおしりふき等の日常的な消耗品まで様々な種類があります。

・シルバーカー
・ステッキ
・車いす等の移動関連用具
・介護用服(マジックテープ等で着脱しやすい服)
・床ずれ防止用具
・電動昇降座椅子
・入浴補助用品など

福祉用具
福祉用具とは「心身の機能が低下し日常生活を営むのに支障のある老人又は心身障害者の日常生活上の便宜を図るための用具及びこれらの者の機能訓練のための用具並びに補装具※1」となっています。
このことから、福祉用具は介護を必要とする高齢者に限らず、病気や事故で何らかの助けを必要としている人や障がい者も対象にした物ということがわかります。

介護保険の「福祉用具貸与・販売サービス」では以下の製品が福祉用具として定義されています。
・車いす及び付属品
・特殊寝台及び付属品
・床ずれ防止用具
・体位変換器
・手すり
・スロープ
・歩行器
・歩行補助つえ
・認知症老人徘徊感知機器
・移動用リフト
・自動排泄処理機
・腰掛便座
・入浴補助用具
・簡易浴槽

福祉用具は製品が限られており、使用する事で要介護者本人の日常生活動作能力の維持・改善を見込める(少なくともそれを目的として用いる)道具に限られています。
「福祉用具」と「介護用品」は別物というわけではなく、「介護用品」の中に「福祉用具」も含まれている、と考えれば分かりやすいのではないでしょうか。

福祉用具の購入とレンタル

福祉用具のレンタルと購入には、介護保険を利用することができます。
福祉用具のサービスを利用する基準は、ご本人の介護度によって決められており、一般的に要介護度が高くなるほど、介助者による介護が必要とされています。
そのため、要介護度が低い方と高い方とでは、借りることができる福祉用具が異なります。
ただし、ご本人の身体状況によっては、要介護度により対象外とされている福祉用具でも、例外給付により申請によって借りることができる場合もあります。
また、医師の「医学的な所見」によって、国の示した状態像であると判断された場合は、例外給付の対象と見なされます。医師からの主治医意見書、またはケアマネジャー等などからの依頼により「医学的な所見」を述べていただいた場合、福祉用具の貸与が認められる場合もありますので、ご自身の介護度で保険利用できない福祉用具を使いたい場合には、まず相談をしてみましょう。

✅福祉用具貸与(レンタル)
自宅で生活を続けるために必要な福祉用具を、原則1割(一定の所得がある方は、所得に応じて2割または3割)の自己負担額でレンタルすることができます。

✅特定福祉用具販売(購入)
自宅で生活を続けるために必要な福祉用具を購入する際に、10万円(年間)を上限として、原則として9割(一定の所得がある方は、所得に応じて8割または7割)が介護保険から支給されるサービスです。
特定福祉用具に定められている福祉用具を、指定を受けた事業者から購入した場合のみ対象となります。

選択のポイント

福祉用具を選ぶ場合には、ケアマネジャーや福祉用具事業者の方に相談して決めるのが一番ですが、ご自身が選ぶ際のポイントをお伝えします。
まずは利用する「本人」の「身体状況に合わせて選ぶ」ことです。
利用する本人の身体状況に合っていない福祉用具を使用すると、車いすからずり落ちてしまうなど、大きな事故に繋がってしまう可能性もあります。

次に、「どこで使うか」という利用環境を想定することです。
室内用と屋外用がある用具などは特に気を付けましょう。

そして「本人」が使うのか、「介助者」が使うのかを考えることも大切です。
福祉用具に触れる機会が最も多いのは、介助者の場合も多いです。そのため、実際に使ったり、手入れをする人の意見を取り入れることも重要なポイントになります。

まとめ 

福祉用具は利用する方の日常生活を向上させる道具(サービス)と言えます。
ただし、あくまでも自立を助けるための補助的な道具であり、それだけで生活が完結するわけではありません。身体状況や住環境に合わせて、効果的に利用できるよう、正しい知識を身につけましょう。

この記事は、2024年03月22日に更新されました。
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