要介護者等の介護が必要になった原因とは?

更新日:2020.12.18

厚生労働省が発表した2019年の「国民生活基礎調査」によると、要介護者等の介護が必要になった主な原因の1位は「認知症」で17.6%でした。2位は「脳血管疾患(脳卒中)」で、3位は「高齢による衰弱」、続いて「骨折・転倒」となりました。しかしこれを男女別に見ると、男性は1番多い原因が「脳血管疾患」、2番目が「認知症」であるのに対し、女性の1番多い原因は「認知症」で、男性の1位である「脳血管疾患」は5番目となっており、男女の介護リスクの傾向には若干の違いがあることが分かります。

2025年、5人に1人が認知症に

今回は、介護が必要になった原因として最も多い「認知症」について見ていきます。65歳以上の認知症高齢者は年々増加しており、団塊の世代が75歳以上となる2025年には5人に1人が認知症になると言われています。

認知症にはいくつか種類がありますが、6割以上を占めるのが「アルツハイマー型認知症」になります。女性の患者が多く、物忘れや被害妄想、徘徊、興奮や暴力など広い範囲で症状が現れることがあります。

次いで多いのが「脳血管性認知症」です。脳梗塞や脳出血によって発症する認知症です。男性の発症割合が高く、女性の2倍近くだと言われています。脳細胞が死滅した部位や障害の程度によって症状が異なりますが、記憶障害、判断力障害の他、運動麻痺、言語障害、感情のコントロールがうまくいかない、などの症状もあります。障害を受けていない部位の機能は保たれるため、できる分野と出来ない分野の差が大きかったり、日によっても症状の出現にばらつきがある、「まだら認知症」と呼ばれる特徴があります。

次に多いのが「レビー小体型認知症」です。脳内にレビー小体という異常なたんぱく質がたまり発症し、男性にやや多くみられます。認知機能障害の他、幻視、妄想、睡眠時の異常言動、パーキンソン症状、抑うつ症状などがあります。

次回では、認知症予防のためにできることを見ていきます。

この記事は、2020年12月18日に更新されました。
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