「糖化」を防いで老化させない身体に!

ジョギングするシニアカップル

「糖化」という言葉を聞いたことはありますか?

美容の世界では、肌の老化を促すことで知られている「糖化」ですが、肌だけではなく様々な健康リスクを高める原因となっています。
今回はそんな老化を進行させる「糖化」について見ていきましょう。

「糖化」とは?

糖化とは、食事などから摂取した余分な糖分がタンパク質と結合することです。血液中に余分な糖分があると、体内のタンパク質と結びついて変性、劣化し、AGEs(糖化最終生成物)という名の老化物質を生成します。
この老化物質AGEsは分解されにくく、蓄積されることで肌や髪、骨など全身の老化を促進させ、さらには糖尿病・高血圧・がんなど様々な病気の原因にもなります。

糖化の原因は?

糖化の原因は、余分な糖分です。
糖分は人間の生命維持に必要不可欠なエネルギー源なので摂取は必要です。しかし摂取し過ぎると、余った糖分は血液中に漂います。エネルギー源として代謝されない糖分はタンパク質と結合する性質を持っているため、体内でタンパク質に出会うと結合・変質しAGEsができてしまうのです。

分かりやすく例えると、ホットケーキを作るときに、こんがりと焼けて褐色になっていくのも糖化の一例です。ホットケーキに含まれる「砂糖」が卵や牛乳などの「タンパク質」と結びついて変性しているのです。

糖化がもたらす様々なリスク

肌・・・・しわ・しみ・くすみ・たるみ
髪・・・・抜け毛、髪が細くなる
血管・・・動脈硬化のリスクが高まり、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす
腎臓・・・腎機能が低下し血液中のたんぱく質が尿に漏れだす「尿たんぱく」
骨・・・・骨粗しょう症、骨折
目・・・・ドライアイ、白内障、網膜症
脳・・・・アルツハイマー型認知症

糖化を防ぐためには?

上記のように、様々なリスクを高める「糖化」ですが、意識的に抑えることができます。

①低GI値の食品を選ぶ
GI値という言葉を聞いたことはありませんか?
食品による食後血糖値の上昇度合いを数値化したものをGI値といいます。
AGEsは急激に血糖値が上昇した時に大量に生成されるため、急激に血糖値を上げない、できるだけ低GI値の食品を選ぶことで糖化の抑制ができます。
また、朝食を抜くと昼食後の血糖値が急上昇するため、朝食はとるようにしましょう。

低GI値中GI値高GI値
炭水化物玄米・全粒粉パン・雑穀パン・春雨パスタ・蕎麦白米・食パン・ロールパン・うどん
野菜トマト・きゅうり・レタスなど葉物・大根・ブロッコリー・キノコ類里芋・さつまいも人参・かぼちゃ・じゃがいも・とうもろこし
乳製品・豆・果物ナッツ類・豆腐・納豆・牛乳・ヨーグルト・いちご・りんご・キウイバナナ・パイナップル・すいか


②揚げる・焼くの調理法より煮る・茹でるの調理法にする
食品によっては揚げたり焼いたりすることで糖化反応を起こし、AGEs量が増えてしまうことがあります。生のままか、煮たり茹でたりする方がAGEs量の増加を抑えられます。

③食事で食べる順番に気を付ける
主食のパンやご飯など炭水化物を摂る前に、食物繊維が豊富な野菜やキノコ類、タンパク質を含む魚や肉類から食べる習慣を付けましょう。

④血糖値が一番上がる食後1時間以内に運動する
食後1時間以内にウォーキングなどの有酸素運動は血液中の糖分をエネルギーとして消化します。

⑤禁煙する
たばこの煙がAGEsを増やすことが判明しています。
自分が吸うだけでなく、副流煙を吸うだけでもAGEsを増やしてしまうので避けるようにしましょう。

⑥睡眠時間は6時間以上
新陳代謝が最も活発なのは眠っている時です。睡眠不足が続くと新陳代謝を司るメラトニンや成長ホルモンの分泌が悪くなりAGEsがうまく代謝・排出されません。
良質の睡眠を6~7時間取ることで糖化を防ぎましょう。

糖化を完全に防ぐのは難しいと思いますが、意識するのとしないのでは、大きな差が出そうです。
年齢を重ねてから様々な弊害が起こる前に、今から始められることは意識的に日々の生活で取り入れ、老化の進行を防ぎたいですね。

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