インフルエンザ予防接種の季節です

更新日:2023.12.21

今シーズンも、インフルエンザの流行に備えて国や地方自治体がインフルエンザに関する情報を提供し、適切な対応を呼びかけています。
特に高齢者はどうしても抵抗力が低く、インフルエンザに罹患すると長引いたり、重症化しやすかったり、死亡の危険性もあります。
今回はこのインフルエンザについて解説していきます。

季節性インフルエンザウイルス

季節性インフルエンザのウイルスには、A(H1N1)亜型、A(H3N2)亜型、2系統の B 型の4つの種類があります。
流行しやすい年齢層は、ウイルスの型によって多少異なりますが、今年も全ての年齢の方がインフルエンザに注意する必要があるとのことです。
また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でインフルエンザの流行が低調であったこと等の影響で、A(H1N1)亜型や A(H3N2)亜型の抗体の保有割合が全年齢で低下傾向にあること等から、インフルエンザの流行が起こりやすい状況にあると考えられます。
実際に、令和5年2月中旬以降定点あたりの報告数が直近5年間の同時期と比較して多い状態で推移しており、例年より早く本格的な流行が生じる可能性があることに注意が必要です。

インフルエンザワクチン予防接種の情報

インフルエンザワクチンの予防接種には、発症をある程度抑える効果や、重症化を予防する効果があり、特に高齢者や基礎疾患のある方など、罹患すると重症化する可能性が高い方には効果が高いと考えられます。

予防接種法に基づく定期の予防接種の対象となる方は以下の通りです。

  1. 65 歳以上の方
  2. 60~64 歳で心臓、腎臓若しくは呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限される方、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方

これらの方は、定期の予防接種として、1回のインフルエンザワクチン接種を受けることが可能です。厚労省のホームページには、今シーズンの供給予定量(令和5年8月現在)は、成人で約6,242万回分(約3,121万本)と、通常年の使用量を超える供給量となる見込みであることが記載されています。

高齢者の入所施設等における感染防止対策の推進

インフルエンザに罹患した場合に危険となる方が多く入所・入居している高齢者の入所施設等においては、まずは、施設内にインフルエンザウイルスが持ち込まれないようにすることが重要です。

厚生労働省と日本医師会感染症危機管理対策室では、インフルエンザウイルスの高齢者の入所施設等への侵入の阻止と、侵入した場合のまん延防止を目的とした標準的な手引書「インフルエンザ施設内感染予防の手引き」を各施設に普及しています。
また、医療機関に対しても手引き等を参考に、インフルエンザについての院内感染防止に関する指導をいっそう徹底するよう努めています。

在宅介護で気を付けること

高齢者の置かれている状況によっても違いますが、自宅で介護されている場合も、介護者が外からインフルエンザウイルスを持ち込んでしまうことで、家族内においてインフルエンザに罹患してしまうというケースが多くなっています。

高齢者だけでなく、介護を担う方もインフルエンザワクチンの予防接種を受け、手洗いやうがいなど基本的なことをしっかり実践することが、インフルエンザの予防につながります。

予防接種は、地域の医療機関やかかりつけ医等で受けることができますが、自治体によってその実施期間や費用が異なります。
お住まいの市町村(保健所・保健センター)、医師会、医療機関、かかりつけ医等に問い合わせて事前に確認したうえで受診するようにしましょう。

この記事は、2023年12月21日に更新されました。
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