寝たきり介護の対応

介護のイメージのひとつに、「寝たきり」の高齢者の世話をすることが思い浮かぶ人もいるかと思います。今回はこの「寝たきり」とはどういう状態なのか、またどのようなケアをするのがいいか、解説していきます。

障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)

障害高齢者が、身の回りのことを自分でどれくらいできるかを評価した指標に、どれだけ寝たきりに近いかを3分類に分ける障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)というものがあります。
これは、厚生労働省が定める基準となっており、寝たきり度が重いほど身体機能が低くなり、介護負担が増えます。高齢者の要介護度を認定するための指標のひとつでもあります。詳細は下記の通りです。

生活自由度ランク判定基準特徴
生活自立ランクJ何らかの障害等を有するが、日常生活はほぼ自立しており独力で外出する
1. 交通機関等を利用して外出する
2. 隣近所へなら外出する
・ほとんどのことを自分で行える
・外出も一人でできる
準寝たきりランクA屋内での生活は概ね自立しているが、介助なしには外出しない
1. 介助により外出し、日中はほとんどベッドから離れて生活する
2. 外出の頻度が少なく、日中も寝たり起きたりの生活をしている
・家のことはほとんど行える
・外出は付き添いがないと危険
寝たきりランクB屋内での生活は何らかの介助を要し、日中もベッド上での生活が
主体であるが、座位を保つ
1. 車いすに移乗し、食事、排せつはベッドから離れて行う
2. 介助により車いすに移乗する
・1日のほとんどをベッドで過ごす
・室内でも介助が必要
・移動は車椅子が必要
・座って食事や排せつができる
寝たきりランクC1 日中ベッド上で過ごし、排せつ、食事、着替において介助を要する
1. 自力で寝返りをうつ
2. 自力では寝返りもうてない
・1日中ベッドで過ごす
・食事の介助が必要
・おむつや尿器を使用している
参照元:厚生労働省「障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)」

ランクJから下へ行くにつれて重度になり、ランクCが最も寝たきり度が高い状況です。
基準にある「何らかの障害」とは、病気やケガまたは後遺症、老衰によって身体機能が低下した状態を指し、脳血管疾患の後遺症や骨折、高齢による衰弱、関節疾患などが当てはまります。

判定基準は客観的に判断できるよう、個々の能力ではなく「移動」に関する状態に着目しています。併せて食事や排泄、着替えに介助を要するかどうかも大切なポイントになります。

寝たきり高齢者の介護

現在、自宅で寝たきり高齢者の介護をしている方は多くいらっしゃいます。医療ケアが必要なければ、「寝たきり」でも自宅での介護は可能だからです。
とは言え、介護する方の負担がかなり大きいのも事実です。

例えば、寝たきりの場合、最も注意が必要なのは「床ずれ」です。
床ずれは、体の一部が持続的な圧迫を受け、皮膚組織に循環障害が起こり、その結果皮膚の一部が壊死する症状ですから、これを防ぐためには約2時間おきに定期的な体位交換をすることが望ましいと言われています。
すると介護者は長時間の外出ができず、連続的な睡眠にも支障が出てしまいます。

このほか、食事や排せつ、入浴の介助などもすべて自分たちでおこなうには限界があります。そのため、介護保険サービスを活用することをおすすめします。

在宅介護で利用できる介護保険サービス

在宅介護で利用することのできる介護保険サービスの一例を、いくつか紹介します。

訪問介護
要介護状態の方の自宅にホームヘルパーが訪問し、食事や排泄の介助、家事の支援、通院の介助などをおこなうサービスです。

訪問入浴介護
専用の浴槽を自宅に持ち込んで入浴の介護をしてくれるサービスです。

訪問看護
看護師や保健師などが居宅を訪問して、主治医の指示や連携により療養にかかわる世話や診療補助をおこないます。

夜間対応型訪問看護
夜間の定期的な巡回や利用者からの連絡によって、自宅を訪問し入浴や食事、排泄などの介護、そのほか日常生活を送るうえで必要なサービスをおこないます。

訪問リハビリテーション
理学療法士などの専門職が自宅を訪問し、心身機能の回復や日常生活の自立を助けることを目的にしたリハビリテーションをおこないます。

福祉用具貸与
心身の状況や希望および環境をふまえ、適切な福祉用具を選定する援助、その取付け、調整などを行います。 レンタルできる福祉用具には、車いす、ベッド、床ずれ予防用具、体位変換器、手すり、スロープ、歩行器、歩行補助つえ、認知症老人徘徊感知機器、移動用リフト、自動排泄装置などがあります。

まとめ

紹介した以外にも、状況によって利用できるサービスはまだまだあります。
本人やご家族の希望で在宅による介護を続けるためには、介護する方に過度の負担とならないよう、まずは心身ともに健やかであることが重要です。
そのために、どのような介護保険サービスが使えるのかを確認しておきましょう。介護は家族だけの問題ではありませんから、けっして一人で抱え込みすぎないようにしてくださいね。

記事一覧