災害時における高齢者の安全対策

2024年の1月1日、石川県を中心に、大きな地震が発生いたしました。被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。
地震はいつ起こるか予測が難しい災害であり、特に高齢者は身体的な制約や健康上の理由から、一般の人々よりも避難が難しい場合があります。この記事では、地震が発生した際に高齢者が安全に行動し、心のケアをするためのポイントと地域や個人で取り組むべき対策に焦点を当てて解説していきます。

地震発生時にすべきこと

地震が発生した瞬間は、高齢者に関わらず次の行動を心掛けるようにしましょう。

冷静な判断
地震が起きたとき、気が動転してパニックになる気持ちも分かりますが、1秒を争う事態ですので冷静な判断が求められます。慌てずに周囲を確認しましょう。

机やテーブルの下に避難
地震発生時には、頭部や首を守るために、可能な限り頑丈な机やテーブルの下に避難します。これにより、落ちてくる物から身を守ることができます。

揺れが収まったら慎重に移動
大きな地震だった場合、揺れが収まったら急いで建物の外に避難します。ただし、階段や壁が損傷している可能性があるため、慎重に移動することが大切です。

高齢者の避難場所

バリアフリーな場所
高齢者はバリアフリーな場所が適しています。段差が少なく、車椅子でも移動しやすい場所を優先的に選びます。

近くの公園や広場を考慮
近隣の公園や広場は、開けた場所で安全性が高いため、避難場所として考慮できます。自宅からの距離も考慮して選ぶ必要があります。

適切な声かけ
地震が発生すると高齢者は驚きや不安を感じることがあります。避難場所となる施設では冷静な声かけや安心感を与える言葉で、パニックを防ぎます。

コミュニケーションの確保
避難先ではコミュニケーションが大切です。近隣の人たちと協力し合い、助け合いながら安全な場所を確保することが重要です。

高齢者向けの備えと訓練

緊急地震対策袋の用意
すぐ避難できるよう、必要なものをまとめた緊急地震対策袋を用意することが肝心です。目安として3日分の飲料水、非常食、薬などが該当します。また、保険証や貴重品なども普段から定位置を決めておき、急ぎの時にすぐ持ち出せるように準備しておきましょう。

避難訓練の参加
地元の自治体や福祉機関が提供する災害対策の指針に従い、避難場所や経路を確認するためには、自治体や地域で行われる訓練に積極的に参加することが重要です。
避難訓練に参加することで、地震が発生した際の適切な行動や避難経路を把握することができます。

情報へのアクセス
災害時には適切な情報が不可欠です。高齢者はラジオやテレビでの情報収集がメインになるかと思いますが、停電時でもバッテリーが残っていれば操作できる携帯電話やスマートフォンの扱いも普段から慣れておきましょう。

健康状態の共有
高齢者は特に医療情報の共有が重要です。慢性的な疾患や服薬情報などを避難場所で医療スタッフに伝えることで、適切なケアを受けることができます。

モビリティの確保
普段から自宅で車椅子や歩行補助具の使用している場合、避難の際には誰かの手を借りる必要があります。介護者が近くにいなかった場合を想定して、緊急連絡先を設定しておきましょう。有事には決して一人で無理をせず、自治体の支援やボランティアの協力に頼りましょう。

地域の対策と課題

地域のコミュニティネットワークの構築
地域社会は高齢者をサポートし合うネットワークを構築することが重要です。近隣の住民や地域組織が連携し、高齢者の安全な避難を支える体制を整える必要があります。
特に、高齢者の割合が高い過疎地域はこの課題の解消方法について取り組むことが求められます。

災害時の避難所のバリアフリー化
避難所は高齢者が利用しやすいようにバリアフリー化されることが望ましいとされます。車椅子や歩行補助具のための設備やスペースを確保し、快適な避難環境を整えられるよう、避難場所の選定をおこなうことが重要です。

訓練と啓発活動
地域住民や高齢者自身に対する避難訓練や啓発活動を実施し、災害時の行動計画を共有することが重要です。事前の訓練で地域住民へ災害への意識を高めることで、有事の対応を改善します。

ボランティアの募集と育成
地域社会でのボランティア活動は重要な支えとなります。高齢者の避難支援に携わるボランティアを募り、適切なトレーニングを提供・育成することも重要な施策となります。

まとめ

高齢者が地震に備え、安全に行動するためには、冷静な判断力と適切な避難行動が求められます。バリアフリーな場所を優先し、心のケアやコミュニケーションの確保も忘れずに行うことが大切です。事前の備えや訓練を通して、地震発生時に自らを守り、近隣の人々と協力して安全な場所へ移動できるようにしましょう。

記事一覧