土用の丑の日にウナギを食べて夏バテ予防!

暑い日が続くとなんだかやる気が起きず、疲れがたまって倦怠感が…という人も多いのではないでしょうか。
今回はそんな夏バテの原因と必要な栄養素について解説していきます。

夏バテの症状とは?

以前、熱中症に関する記事をあげましたが、高温多湿が原因となり体温調節機能が働かなくなって発症する熱中症に対し、夏バテの原因はその一歩手前、暑さによって体温を一定に保とうとする自律神経の働きが乱れることにあります。

この自律神経の乱れにともなって食欲の減退、体が重く感じる、眠れない、肩がこる、頭が痛い、胃腸の不調といった症状がみられ、特に高齢者は、いちど体調を崩すと回復に時間がかかることに気を付けなければいけません。
夏バテによる体調不良がきっかけとなり、持病悪化や衰弱、体調不良の重症化、後遺症につながってしまう可能性もあります。
また、高齢者の水分不足は、血中濃度が増し、血管が詰まりやすくなるため、この時期は脳梗塞・心筋梗塞にも特に注意が必要です。
夏バテから体調不調のきっかけをつくらないことが高齢者には特に大切といえます。元気な体づくりの基本として、栄養バランスを意識した食事を摂ることが重要です。

夏バテ予防に摂るべき栄養素

ビタミン
ビタミンB1は「疲労回復のビタミン」と呼ばれ、糖質をエネルギーに変え、老廃物の代謝をおこない疲労回復を助けてくれます。
豚肉やウナギ、レバー、大豆製品に多く含まれる栄養素です。
ビタミンB2は「発育のビタミン」と呼ばれ、細胞の再生に関わります。
ウナギ、納豆、緑黄色野菜に含まれています。
ビタミンCは免疫力の向上の他、ストレス緩和の作用もあるため、暑さによるストレスもリセットしやすくなります。
緑黄色野菜や果物に多く含まれています。

ミネラル
ミネラルとは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、鉄、亜鉛といった無機質を指します。汗をかくと体内の水分バランスが崩れやすくなりますのでスポーツドリンクなどでミネラル補給をすることが有効です。
丈夫な歯や骨を作る、脳を活発に動かす、肉体の疲労を回復するといった効果があります。
ミネラルは野菜類(ブロッコリー、オクラ、玉ねぎなど)、魚(さば、鮭、イワシなど)、豆腐、乳製品、海藻類などに多く含まれます。

クエン酸
新陳代謝を活発にし、疲労回復を促します。
梅干し、レモン、キウイフルーツ、黒酢などすっぱいと感じる食べ物に多く含まれています。

➢タンパク質
血液や筋肉をつくる、免疫力やスタミナをつけるには、たんぱく質が必要不可欠です。たんぱく質は筋肉の疲労を回復させる、体力の温存、持久力を向上させる効果があります。
肉、魚、大豆、卵、豚肉レバー、納豆、チーズなどに多く含まれ、特に魚肉たんぱくは高齢者におすすめです。

土用の丑の日にはウナギ

夏バテに効果的な食べ物としてよく例に上がるのがウナギです。
豊富なビタミン類とたんぱく質を含むので、疲労回復に効果があることがわかります。土用の丑にウナギというフレーズもよく目にしますよね。

そもそも土用とは「土旺(王)用事(どおうようじ)」の略で、立春、立夏、立秋、立冬の前18日間のことをいいます。
そのルーツは中国にあり、紀元前770年ごろの古代中国の春秋時代の陰陽五行説では、万物は「木・火・土・金・水」の5種類の元素に成り立つという思想から、五行を、春・夏・秋・冬の四季それぞれに割りあてていました。

しかし春を「木」、夏を「火」、秋を「金」、冬を「水」と割りあてると、陰陽五行説の「土」がどこにも分類されないことになるため、季節の変わり目である立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間に「土」をあてはめてそれぞれ「土用」と呼ぶようになったのです。

その中で「土用の丑の日」とは、土用の期間中におとずれる丑の日のことを指します。昔の暦では十二支で日にちを数えていたので、「丑年」が12年周期で回ってくる様に「丑の日」も12日ごとに訪れるのです。

立秋前の「土用の丑にウナギを食べる」ことが習慣になったのは、江戸時代に平賀源内がひろめたとして知られていますが、奈良時代に編さんされた『万葉集』にも、夏バテにウナギが良いと薦めている一首があります。
縄文時代の遺跡である浦尻貝塚からは、魚の骨や貝殻などと一緒にウナギの骨も見つかっているということなので、ウナギは古くから身近な食べ物だったんですね。
私たちの体は食べ物から吸収する栄養によって左右されますから、必要な栄養素をしっかり理解して暑い夏を乗り切りましょう!

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