太陽の光を浴びよう!
新型コロナウイルスの流行を機に、家に引きこもりがちになってしまった高齢者の数は増えていると言われています。外出の機会が減ることで生活不活発になり、社会からの孤立、筋肉量の低下、基礎疾患の悪化、そして何より太陽を浴びる時間も減ってしまいますよね。
冬の寒さも過ぎ去り、春のあたたかな日差しが感じられる季節を迎えましたので今回は健康維持に欠かせない効果的な日光浴についてお伝えしていきます。
日光浴の効果とは?
地上に降り注ぐ太陽の光には、眩しく感じる光そのものとともに、赤外線、紫外線が含まれます。
光(可視光線) の効果
しあわせホルモンとも呼ばれるセロトニンという神経伝達物質は、日の光を浴びることによって脳内に増加すると言われています。
アルコール依存やうつの改善にも効果的と言われており、心の安定や精神状態を保ってくれる重要な役割を持ちます。
赤外線 の効果
太陽光線の赤外線は、地球全体に熱エネルギーを供給します。
人間のみならずあらゆる生き物が太陽の光を体内に熱エネルギーとして取り込み、生命の維持に利用しているのです。
身体が温まり、血行が良くなることで新陳代謝を促す作用があります。
紫外線 の効果
紫外線を浴びることで体内ではビタミンDが生成されます。
このビタミンDにはカルシウムの吸収を助ける役割があり、骨を強くすることから骨粗しょう症に有効です。骨以外にも、ビタミンDは筋肉に取り込まれると、たんぱく質の合成が促進されるため筋肉が強化されます。同様に糖尿病や心臓疾患が予防できるとも言われています。
また、近年の研究ではがんの予防(特に大腸がんと乳がん)にも効果的であることがわかりました。
その他紫外線を浴びることで皮膚細胞から一酸化炭素が放出され、これが血管を拡張させて血圧を下げることから、高血圧リスクの緩和も期待できます。
紫外線による影響
紫外線(Ultraviolet:UV)は、浴びすぎると健康への悪影響があることも知られています。
その主な作用は以下の通りです。
・日焼けなど皮膚への障害
・大量曝露による免疫機能低下
・皮膚の老化(しわ、たるみ、シミ)
・脂漏性角化症(皮膚の良性腫瘍)
・前がん症、皮膚がん
・紫外線性角膜障害(雪目、結膜炎など)、白内障や翼状片など目の病気
適切な日光浴の時間とは?
日本が位置する緯度を考慮すると、一日に両手の甲くらいの面積が15分間日光に当たる程度、もしくは日陰で30分間ほど過ごす程度でも、十分なビタミンDが供給されると言われています。
これは季節によって多少変化しますが、短時間でも効果が得られますので一日の中で太陽にあたる時間を意図的に作りましょう。
そこでおすすめなのは、朝に太陽の光を浴びることです。
これには「体内時計」が関係します。
体内時計とは、生物が生まれながらに持っている24時間周期で刻まれる生理現象のことを指し、睡眠や覚醒のリズム、血圧や体温とも密接にかかわっています。
この体内時計をつかさどるのは、視覚からの刺激信号とされており、朝に太陽の光を浴びることで約16時間後にメラトニンという睡眠ホルモンを分泌するスイッチが入るといわれているのです。
自律神経が正しく働くことで質のいい睡眠をとることができ、身体の回復が見込めます。
日の出も早くなり、太陽の出ている時間が増えてきましたから、晴れた日の朝には太陽光を浴びることを日課にしてみてはいかがでしょうか。