1日単位で利用可!在宅介護を支援するショートステイ制度
在宅でご家族の介護をする方は、
「仕事の遠方出張を断らなくてはいけない」、「冠婚葬祭のときに困る」
「体調不良でも休めない」、「長期間家を空けられないので旅行ができない」
「気分転換ができない」
と、悩みがつきません。たまには在宅介護から離れてリフレッシュしたいと思うこともありますよね。
また、介護される側の高齢者も「家族には気兼ねなく出かけてほしいものの、一人で数日間過ごせるか心配」「そろそろ施設を検討しているがいきなり入所するのは不安」といった方が多くいらっしゃいます。
そんな方に利用していただきたいのが、1日単位で利用できる短期入所生活介護=ショートステイです。これは短期間だけ施設に入所をして、介護を受けることができるサービスです。
有料老人ホームなど長期入居のサービスと比較するとその費用は安く、何より1日単位での利用が可能なことから、在宅介護と組み合わせてうまく活用したいサービスです。今回は、ショートステイの仕組みについて解説していきます。
ショートステイの種類
ショートステイには大まかに三つの種類があります。
✅短期入所生活介護
介護スタッフによる日常生活上の支援や機能訓練、レクリエーションなどのサービスを受けることができます。
公的施設である「特別養護老人ホーム」の他、「ショートステイ専門施設」「一部の有料老人ホーム」で受け入れています。
✅短期入所療養介護
日常生活上の支援の他、看護師や理学療法士、作業療法士によるリハビリや医療ケアなどの医療サービスが受けることができます。
公的施設である「介護老人保健施設(老健)」「介護療養型医療施設」で受け入れています。
✅介護保険適用外のショートステイ
介護スタッフによる日常生活上の支援や機能訓練、レクリエーションなどのサービスを受けることができます。
提供する事業所は「一部の有料老人ホーム」等です。
要介護認定を受けていない自立の方も利用できるため、気軽に利用することができます。ただし、介護保険は適用外となりますので、利用料は全て自己負担です。
利用対象と料金形態
介護保険適用の場合、要支援1、2、要介護1~5の方が利用可能です。
基本料金は前述のショートステイの種類や、居室の種類、介護度によって変わります。
その他、施設によっては特別サービス利用の加算分が入ります。
(療養食加算、夜間人員配置加算など)
また、食費、滞在費(居住費)の部分は介護保険適用外となります。
これらの費用を含めて、平均すると1日あたり1,000円~3,000円が相場となるようです。(介護保険負担割合1割の場合)
全額自己負担の場合は1日あたり数千円~2万円ほどの費用がかかります。
申請方法は?
ショートステイを利用したい場合は、まずケアマネージャーに相談をします。
前もって申請をする必要があり、遅くても1~2ヶ月前には予約を取らないと利用できないところがほとんどです。
急に利用が必要になった場合でも、キャンセル状況や緊急対応をしてくれる施設によっては可能性があるのでケアマネージャーに確認してもらいましょう。
どうしても見つからない場合は、全額自費負担となってしまいますが有料のショートステイ等を利用することとなります。
レスパイトケアとして
レスパイトとは、「一時的休止」、「休息」などを指します。
日本では主に育児や、障害、医療、介護の分野において休みなく支援をされるご家族の一時的なリフレッシュという意味合いでレスパイトケアという言葉が使われています。
長期間にわたる介護は精神的にも肉体的にも負担が大きいですよね。
疲労やストレスも蓄積しますし、少しは休みたい、介護から解放されたいという想いが出てくることもあるかと思います。その気持ちは決して悪いことではありません。
自身が健康でなくては介護をすることも難しいですから、休息のためにショートステイのようなサービスを利用するのも重要なことです。
ただし、利用するご本人に相談なく予約をしてしまうと、いざ当日行きたくないと、もめる可能性もありますから、事前に話し合うことをお勧めいたします。
適度に周りを頼りながら、ご自身の健康も保ってくださいね。