ウイルス感染症に負けないために!

更新日:2022.01.21

新型コロナウイルスの大流行により、マスクの着用、手洗い、消毒、うがいなどの感染症予防対策が日常的に当たり前になりました。
おかげで、他のウイルスが原因の感染症にも効果を発揮しており、毎年この時期に大流行するインフルエンザの感染者数は例年より大幅に減少しています。
そこからわかることは、こうした基本の予防対策をしていれば、ある程度のウイルス感染症は防げるということですが、そもそもなぜ、冬にウイルス感染症は大流行するのでしょうか?

なぜ冬はウイルス感染症が流行する?

冬にウイルス感染症が流行するのは、病原体である”ウイルス”と感染する”人”の条件がそろい、感染が成立しやすい状況にあるからです。
15℃以下の低い気温と、40%以下の低い湿度により、ウイルスは表面の水分を失い空中に浮遊しやすくなります。低温・低湿度の環境下においては、ウイルスは生存期間も長くなるため、感染も拡がりやすくなります。

ウイルスに感染した人が咳やくしゃみをすると、「飛沫」がばらまかれます。飛沫は、湿度の高い状況では、含まれる水分の重さですぐ地面に落ちて感染力を失いますが、冬の乾燥した空気中では、飛沫から水分が蒸発しやすく、飛沫よりも軽い飛沫核(ウイルスを含む粒子)として空気中を長時間漂い続けることができるようになるため、人に感染するリスクも高まるのです。
湿度60%と比較すると、湿度30%では2倍遠くまで飛沫が広がるようです。

また、気温が低い冬は人の体も冷え、抵抗力が弱まります。
空気が乾燥すると、喉の粘膜が乾燥して血流低下を引き起こし、免疫低下の原因となりウイルスが口や鼻から体内に侵入しやすくなります。
体温が1℃低下すると人の免疫力は30%低下すると言われており、気温の低下に伴い体温が低下し、感染しやすい状況になります。

感染症胃腸炎とは

感染症胃腸炎は、原因となるウイルスが付着した食品を食べることによる感染(経口感染)、ウイルスが付着した手で口に触れることによる感染(接触感染)があります。
この季節に流行する感染症胃腸炎の原因の代表格はノロウイルスです。感染力が強く、ドアノブに付着したウイルスによっても感染したり、家族が感染した際に嘔吐物や便の処理が不十分だと二次感染することも良くあります。

ロタウィルスもノロウイルス同様に感染力が強く、嘔吐・下痢・発熱などの症状があります。ロタウイルスは予防接種ワクチンがあり、乳幼児を中心に任意接種が可能ですが、ノロウイルスについては予防接種がありません。

また、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスには効果のあるアルコール消毒ですが、ノロウイルスやロタウイルスには効果があまりないことが分かっています。手を洗うより、アルコール消毒の方が手に噴きかけるだけで手軽なため、ついそれで済ませてしまいがちですが、感染症胃腸炎の予防対策には石鹸を付け流水でしっかりと「手洗い」することが重要です。

感染症予防のためにできること

・マスク着用
・手洗い、うがい
・室温は20~25℃、湿度は50%~60%を目安に
・睡眠や食事で体の保温機能を高め免疫力を上げる
・水分摂取を心掛ける
・人混みに行かない

外出時のマスクの着用、密を避ける、手洗い消毒は当たり前になりましたが、室内にいる時も室温や湿度を意識して、ウイルスが活発になる状況を作らないこと、睡眠や食事で自身の免疫力を高めることも大切なんですね。

年齢と共に免疫力は低下するため、高齢者は感染症にかかりやすくなったり、発症後も重症化しやすくなります。
日頃から意識して自身の免疫機能を高めておく必要があります。

まだまだ寒い日が続きますので、しっかりと対策して感染症に負けずに冬を乗り切りましょう!

この記事は、2022年01月21日に更新されました。
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