歩行能力や筋力をアップ!高齢者の機能訓練

更新日:2024.04.19

加齢や病気によって体力や筋力が低下し、身体機能に衰えが出ることは、生活の質の低下にもつながります。今回はこのような日常生活に必要な機能の維持、または低下防止を目的に実施される高齢者の機能訓練について解説していきます。

機能訓練とは

機能訓練とは、高齢者の身体的機能の改善や減退を目的とした訓練のことです。
通所介護(デイサービス)などの介護サービスで提供されています。
機能訓練と聞いて「リハビリテーション」を思い浮かべる方も多いかと思いますが、介護施設で行われる機能訓練は、病院のリハビリテーションとは少し異なるものとなっています。

そもそもリハビリテーションは、re(再び)-habiris(適した)というラテン語が語源となっており、『低下した機能や能力を本来の状態に改善する』『適応する』『権利の回復』『社会復帰』などの意味を持っています。
社会復帰するための準備や感覚を取り戻すためのトレーニングも【リハビリテーション】と表現されるように、広く使われる用語です。

医療や介護の分野で使われている「リハビリテーション」とは、医師の指示に基づき理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などのリハビリ専門職種が「身体機能の維持・回復」を目的に提供する訓練のこと、と定義されています。

一方、「機能訓練」は、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、 看護師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師などの機能訓練指導員が「減退防止」を目的に提供する訓練のことと定義されています。

つまり、病気や加齢などの原因で低下した身体の機能を回復させるために行う訓練や、身体の機能が衰えるのを防止するためにおこなう訓練です。
医師の指示を必要としないという点で、リハビリテーションとは異なっています。

機能訓練の内容

「身体機能」改善を目的とした機能訓練

身体機能を目的とした機能訓練では、腕を上げられるようになる、1人で歩けるようになるといった身体的な機能の改善を行います。

具体的には、歩行訓練や筋力増強訓練、関節可動域訓練などが実施されます。

「生活機能」の改善を目的とした機能訓練

生活機能の改善を目的とした機能訓練では、1人で買い物に行けるようになる、お風呂に入れるなど自立した生活を送れるように支援をします。

具体的には、クイズやパズルなどの脳トレや浴槽のまたぎ動作訓練などを行います。

「疾病・疾患」の維持・予防を目的とした機能訓練

疾病・疾患の維持・予防を目的とした機能訓練も行います。

具体的には、咀嚼(そしゃく)訓練や嚥下(えんげ)訓練、パーキンソン体操などがあります。

まとめ

機能訓練は、高齢者日常生活を維持するために欠かすことができません。
在宅で介護をしていると、介護者の負担もあって体を動かす機会が少なくなりがちですから、デイサービスなどを積極的に利用し、機能回復訓練を受ける機会を設けてみてはいかがでしょうか。

専門的な指導の下、個別に合わせたプログラムで適切な機能訓練を受けること、また、身体状況の変化に合わせて定期的な診察や評価をおこない、プログラムの改善をしていくことが重要です。

この記事は、2024年04月19日に更新されました。
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