ショートステイ、ロングショートステイの活用
自宅での介護が一定期間できなくなった際に、その期間だけ被介護者が老人ホームや介護施設に入所できるサービスとして、ショートステイがあります。
ショートステイは短期的な利用を想定しているサービスではありますが、在宅介護ができない特別な事情がある方に限っては、長期的な利用をすることも可能です。今回は、このように、ショートステイを長期的に利用するための条件や注意点についてご説明いたします。
ショートステイとは?
在宅介護をしていると、介護者の急な体調不良や、冠婚葬祭などの用事で家を空けなければならない事情が発生することもあるかと思います。
そうすると、一時的に介護ができなくなりますが、そんなとき頼れるサービスがショートステイです。その期間だけ被介護者が老人ホームや介護施設に入所することができます。
ショートステイでは、短期間だけ被介護者が老人ホームや介護施設に入所し、食事・入浴・洗濯・排泄の手伝いといった日常生活全般の介護をはじめ、リハビリテーションやレクリエーションなどのサービスも受けられます。
ショートステイの利用期間
ショートステイは、一時的に在宅介護が難しいときに便利なサービスですが、あくまで短期的な利用であり、一般の入所サービスと区別するためその利用期間についての大きく2つの決まりがあります。
一つ目は「介護認定期間の半分以内の日数」であることです。ショートステイを利用できる期間は、介護認定期間の半分とされています。この介護認定期間とは「要介護認定が下りた日から、その認定が有効な期限までの日数」のことです。
厚生労働省は、介護認定期間は原則6カ月とすることと定めています。
ショートステイは認定期間の半分以内の日数しか利用できない決まりがあるため、介護認定期間が6カ月間(180日)の方は、認定期間内に最大90日までショートステイの利用が可能となります。
二つ目の決まりは「連続して最大で30日までの利用」であることです。
これは、月をまたいでも日数がリセットされることはありませんので、30日以内で調整する必要があります。また、30日目に別のショートステイ先に移ったとしても、介護保険制度上では同じショートステイのサービスを継続して利用しているとみなされます。
そうすると、介護保険制度が適用されなくなることで、利用料金を全額自己負担で支払うことになります。
ロングショートの利用要件
上記で紹介したように、ショートステイの利用期間には決まりがありますが、利用者の身体状況や自宅の介護環境によっては、30日を超えてショートステイを利用したい方も多々いらっしゃると思います。
実際にロングショートと呼ばれる30日を超えた連続利用をされている利用者の方もたくさんいます。
その解決にはいくつかの方法がありますので解説します。
①自治体から認可を得る
担当ケアマネジャーがショートステイを長期間利用したい理由を記載した届出書を自治体に提出し、承認された場合には30日を超える利用が可能になるケースがあります。
②31日目の料金のみ全額自己負担で支払う
31日目のみ介護保険を適用せず全額自費で利用することで、32日目を1日目と数えて再び介護保険が適用され、新たに30日間ショートステイを利用できます。
③1日だけ自宅に戻り、リセットする
一度自宅へ帰宅すると、連続30日利用がリセットされます。連続入所をリセットするためには、ショートステイ先を退所して丸1日は自宅で過ごさなければなりません。
たとえば、30日目に帰宅し1泊、翌日も自宅で1泊過ごすことで、再び30日間のショートステイが利用可能となります。つまり、都合2泊3日が必要となるわけです。
まとめ
このように、ショートステイを長期で利用するためには様々な条件がありますので覚えておきましょう。また、利用期間の長期化や日数制限を超えて利用すれば経済的負担も大きくなり、施設に入居する場合と変わらないくらいまで費用が増えるケースもあります。
担当のケアマネージャーにも相談しながら、どのサービスを使うのか判断するようにしましょう。