介護ロボットの普及促進

更新日:2024.03.12

みなさんは介護ロボットの存在をご存じですか?
介護ロボットは、利用者の自立をサポートしたり、介護者の負担を軽減することを目的に、現在さまざまな種類が開発され、実際に介護現場で使われ始めています。
今回はそんな介護ロボットの最新動向についてお伝えします。

介護ロボットとは?

まず、ロボットの定義とは、以下の3つの要素技術を有する知能化した機械システムです。
情報を感知(センサー系)
判断し(知能・制御系)
動作する(駆動系)

このロボット技術が応用され、利用者の自立支援や介護における負担軽減に役立つ介護機器を介護ロボットと呼んでいます。
厚生労働省では「ロボット技術の介護利用における重点分野」を6分野13項目定め、その開発・導入を支援しています。

①移乗介助(装着型/非装着型)
②移動支援(屋内・屋外移動/装着移動)
③排泄支援(排泄物処理/トイレ誘導/動作支援)
④見守り・コミュニケーション(介護施設・在宅介護見守り/生活支援)
⑤入浴支援
⑥介護業務支援

介護ロボットの種類

実際の介護現場で活躍している介護ロボットの一部仕事内容を紹介します。
✅見守り・声掛けロボット
認知症の要介護者を見守るロボット技術です。検知センサーや外部通信機能を備えた機器を見守り対象者がいるエリアに設置することで、状況確認や異常がないかいつでも確認することができます。

✅装着型パワーアシスト
介護者が装着して移乗介護の際の身体的負担を軽減するタイプと、要介護者自身が装着して移動を安全にできるようサポートするタイプがあります。
介護者が装着することで、ベッドから車いす、車いすから便器の間などの移乗の際の腰の負担を軽減することが可能です。
要介護者が装着すると、パワーアシストが立座りや歩行の支援、転倒の予防をしてくれます。

✅歩行アシストカート
おもに手押し車型の機器で、モーターを内蔵しているので上り坂では推進、下り坂ではブレーキをかけるなど安全な移動や荷物の運搬をアシストしてくれます。
持ち手を離すと停止したり、GPS内蔵で位置情報や歩行距離、歩数が計測できるといった機能がついているものもあるようです。

✅自動排泄処理装置
排せつ物の処理にロボット技術を用いた、設置場所の移動と調整が可能な装置です。尿・便を感知すると 排せつ物を吸引​、温水でビデ・おしり洗浄、温風乾燥まで自動でできます。その多くは脱臭機能も装備されているため、自室での排泄でもにおいを気にせず利用できます。

この他にも、たくさんの介護ロボットが開発されています。

参考サイト:介護ロボットポータルサイトhttp://robotcare.jp/jp/home/index.php

介護ロボットの展望

介護ロボットの普及によって、介護業界が抱える人手不足の解消や負担の軽減に役立つのではと期待されています。
しかし、開発は進んでいるもののまだ一般的に普及はしていないというのが現状です。
導入している事業所が少ない理由として、費用の問題に加え介護ロボットが介護者の代わりを完全に担える段階にはまだ達していない、結局は人の操作が必要な工程が多くあることなどが挙げられます。

とはいえ、介護ロボットを「利用したい、利用を検討したい」と希望する施設や利用者は増えています。
介護される立場の人も「ロボットには気を使わないから」と肯定的な人が多いようです。介護者の「肉体的負担」と介護される側の「心理的負担」をどちらも軽減するツールとして、少子高齢化の現状を踏まえるとこれからますます介護ロボットは存在感を増していきそうですね。

この記事は、2024年03月12日に更新されました。
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