日本一の長寿県から長生きの秘訣を学ぼう!

2020年の日本人の平均寿命が、男性81.63歳、女性87.74歳で過去最高を更新したことが、厚生労働省の集計でわかりました。
世界でも1,2位を争う長さですが、今回は日本の中で一番の長寿県から、長生きの秘訣を探ってみたいと思います。

日本一の長寿県はどこ?

日本で一番の長寿県はどこだと思いますか?
ご存知なかった方には意外に感じるかもしれません。
それは長野県なんです。
長野県は男性は1990年から、女性は2010年以来ずっと、日本一の長寿県の座を譲っていません。
しかし、長野県がもともと長寿県だったわけではありません。
長野県は山に囲まれていて、冬は積雪も多いため、塩分を多く含む保存食が重宝されていました。「野沢菜」は有名ですよね。
塩分濃度が高いと微生物が繁殖しにくくなるため、塩は長期保存には欠かせないものになっていて、昭和40年代の長野県は塩分摂取量が全国で4番目に多く、高血圧・脳卒中による死亡率が高かったのです。

そんな長野県が、なぜ長年のあいだ長寿県でいられるのでしょうか?

予防医療に熱心

日本人の死亡原因の1位は「がん」ですが、長野県はがんによる死亡率が全国で一番低い県でもあります。
死亡原因の4位は脳卒中を含む「脳血管疾患」で、30年ほど前までは脳卒中が死亡原因の1位でした。
脳卒中の原因は動脈硬化ですが、その動脈硬化を招く要因としては、高血圧症・高脂血症・糖尿病・喫煙などが挙げられます。
つまり、脳卒中の予防には規則正しい生活習慣が大切で、「正しい食生活」が重要なポイントになっています。

長野県では、ある医師が「塩分の摂り過ぎは脳卒中になる原因の一つであること」「自分の健康は自分で守ろう」と熱心に説いて回ったことから始まった「県民減塩運動」が広がっていったそうです。

公民館の数が全国1位

長野県はがんによる死亡率が全国で一番低い県だと前述しましたが、がん治療が発展しているわけではありません。多くの都道府県が持つ「がんセンター」がない、全国でも少数の県であり、一般の病院数も全国で33位です。
しかし、県民の健康促進や病気予防を担う公民館の数は全国1位で、保健士さんの数は全国2位なのです。
つまり、減塩運動も含め「予防医療」に力を入れているのです。

野菜摂取量も全国1位

長野県は野菜の摂取量も男女共に1位です。
白菜、レタスの生産量が全国1位の他、キノコは全国生産量の約3分の1を占めています。
長野県は生産量だけでなく、人口当たりの消費量も高いのが特徴で、信州みそ・キノコ・ぶどうなど、地産地消がしっかりと実現できているのです。
味噌やキノコには老化を予防するといわれている「ポリアミン」が多く含まれており、ぶどう(赤ワイン)には動脈硬化など生活習慣病の予防に役立つ「ポリフェノール」が豊富に含まれています。

高齢者の就業率も全国1位

長野県が長寿県の理由は、健康で働く現役の高齢者が多いことにも表れており、高齢者の就業率は26.7%で全国1位です。この数字は全国平均を大きく上回っています。平均寿命が長いだけでなく、自立して生きられる健康寿命も男女共に1位なのです。

こうして見てみると、長野県が長寿県で居続けている理由が納得できますよね。全国1位の長寿県民であることを誇りに思い、一人一人が健康に対する意識を非常に高く持っていることがうかがえます。
病気になる前に予防し、身体に良い食生活と、健康でいられる限り働き続けることで頭も体も健康で長生きできるのですね。

ぜひ、長野県のスタイルを見習って、みなさんも健康で長生きを目指しましょう!

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