フレイルを正しく理解しよう!

更新日:2024.03.11

皆さんは「フレイル」という言葉をご存じですか?
2014年に日本老年医学会が提唱した概念で、英語の「Frailty」から来ています。直訳すると虚弱、衰弱という意味です。
健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体的機能や認知機能の低下、つまり加齢によって心身が衰えた状態のことを指します。
これに加えて、独居、閉じこもりなど社会とのつながりが脆くなることもフレイルの要素となります。
そのまま放置すると要介護状態に進行してしまう懸念がありますが、早いうちから対策をおこなうことで予防ができたり、進行を遅らせたりと健康寿命を延ばすことにもつながります。

今回はそんなフレイルについて詳しく解説していきます。

フレイルの基準

今回はフレイルの評価として国際的によく用いられているFriedらのCHS基準(Cardiovascular Health Study基準)をもとに、日本人高齢者に合った指標に修正したJ-CHSの基準を紹介いたします。
5項目の基準があり、3項目以上該当するとフレイル、1~2項目の場合にはフレイルの前段階であるプレフレイルと判断します。

①体重減少
6か月間で2㎏以上の体重減少がありましたか?

②筋力低下
握力低下(男性26kg未満、女性17kg未満)

③疲労
ここ2週間わけもなく疲れたような感じがする、に「はい」と回答

④歩行速度の低下
通常歩行速度以下(性別・身長問わず1.0m/秒未満)

⑤身体活動の低下
軽い運動・体操をしていますか?定期的な運動・スポーツをしていますか?の問いいずれにも「していない」と回答

フレイル状態のリスク

身体能力が低下しているため以下のような状況に陥りやすいリスクが高まります。

・病気にかかりやすくなる
フレイルの状態では風邪をこじらせて肺炎を発症したり、倦怠感から転倒して打撲や骨折をしてしまう可能性が高くなります。

・認知機能の低下
入院等で環境の変化に対応できず自分の状況を把握できない、感情のコントロールが難しくなるといった認知症の症状が顕在化してくることがあります。

・寝たきり
上記のような状態になったことをきっかけに寝たきりの状態になってしまうケースも少なくありません。

フレイル予防

✅栄養
高齢期は中年期の基準BMIよりも少し高めを目指すことが重要です。
栄養バランスを考慮した食事をとることで、健康を保つことができます。
また、食事の際にはよく噛んで食べることも大事です。

✅運動
フレイルの最大の原因は筋肉の衰えです。
しっかりとたんぱく質を摂取し、ウォーキングや体操など定期的な運動を心がけましょう。庭仕事、畑仕事などもおすすめです。

✅社会参加
社会参加の機会が低下することがフレイルの入り口になりやすいと言われています。地域の行事や趣味のクラブに参加したり、最寄りの地域包括支援センターへ気軽に相談へ行ったり、コミュニケーションを遮断しないようにしましょう。

正しい概念を理解しよう

冒頭にフレイルの直訳=虚弱、衰弱と記載しましたが、「Frailty」にはしかるべき介入をすることで再び健康な状態に戻るという可逆性の意味も包含されています。
早期に発見し、適切な介入をすることで生活機能の維持、向上を図ることが期待できる状態です。
直訳してしまうと、「Frailty」という単語が持つ多面的な要素を十分に表現することが難しいことから、直訳の虚弱ではなく「フレイル」という言葉を使用することとなりました。
高齢化社会を迎える日本において、この「フレイル」の意義を周知することはとても重要であり、食事や運動、周囲の介入によるフレイルの予防を心がけていかなければなりませんね。

この記事は、2024年03月11日に更新されました。
記事一覧